「歩飲(ほいん)」をご存知だろうか。文字通り歩きながら(酒を)飲むので歩飲というのだ。
歩飲は最高に健康的で不健康なカルチャー をモットーに不定期で歩飲を愛する者たち、通称「ホイナー」に話を聞いてみたいと思う。第五回は伊藤氏。
ホイナー(歩飲者)紹介
Photo by こいそ(@trampgirl2)
伊藤 秀人(@syutoito)
AKUTAGAWA FANCLUB / GATTACAでギターとボーカルを担当している、伊藤 秀人です。
ミッシェルガンエレファントからブルーズを除去し、代わりにオルタナ/ ジャンク / ポストハードコア/ インダストリアル / メタルなどをぶち込んだ音楽の制作を目的としており、“Brutal Solid Noise Rockin’”を標榜して活動しています。
「ポストハードコア/ノイズロック化したTMGE」、「チバユウスケがMETZみたいな超硬質のノイズロックバンド組んだ」などの評を得ており、いそうで意外といないしどう考えてもカッコイイ音楽なので、早く皆気付いてくんねえかなと思っています。
余談ですが“Brutal Solid Noise Rockin’”とは歩飲タビュー第1回に登場したPROM、またGATTACAでも一緒に活動している丹下くんがつけてくれたコピーで、こいつぁいいやと思い勝手に標榜しています。
最近スケボー始めました。
歩飲の魅力
前回のインタビューの方(編集者注: 歩飲 – 生田(Abiuro, Shapeshifter)の場合 -)が「瞑想に近い」と話しているのを見て、なるほど、と思いました。
瞑想であったり、ときには禅のようであったり、また所謂「整ってる」というか「キマってる」というか、特に1人での歩飲に関しては精神のチューニングのような側面があると思います。
歩きながらの飲酒によってアルコールの回りが早くなるのか何なのか、夏冬はともかく、春先などパーフェクトな気候の時期に歩飲していると「スイッチ」が入り、歩飲が止まらなくなる時があります。
そういった状態になると、すれ違うベビーカーに乗る赤子、ヨタヨタと歩く老夫婦、下らない冗談に爆笑する学生たち、築何年かも営業してるのかもわからない米屋、名前も知らんがめっちゃ咲いてる花、人を舐め腐った猫など、そういった普段であれば通り過ぎていくような他愛もないものが愛おしく思えてくるのです。
ソロ歩飲でハイになると、このようなゾーンに入ることが多いです。
このゾーンが好きで、よくソロ歩飲します。
これから歩飲を始める人へのアドバイス
Photo by ばたこ(@batako1107)
昔から散歩が好きで、ある時「酒でも飲んじゃおうかな」と思い、歩きながらプルタブを開いた瞬間、俺の歩飲が始まりました。
これを「歩飲」と呼ぶとは知らず、日々フラフラと飲酒しながら散歩をしていたのです。
飲酒をしながら散歩なんて…と思うかもしれない、ただあなたが思っている以上に世界は広く、飲酒を伴う散歩を好む人は想像以上に多い、現に今の会社の上司もかなりのホイナーでした。
散歩が好きで、しかも飲酒も好きなんだとしたら、今すぐ歩飲を始めて下さい。
1人だって構わない、あなたが歩飲をしているのを誰も咎めないし、思ってる以上に他人はあなたを気にしていない、緩やかな孤独の心地良さを感じてほしいです。
もちろん複数人での歩飲もおすすめです。
友達と至極くだらない話をしながら一駅、二駅と歩飲し、適当な駅の駅前で駄弁って解散、というのも非常に乙なものです。
歩飲におすすめのお酒
最近はバドワイザーをよく飲んでいます。
海外ではションベンなどと言われてるらしいですが、薄味でグイッと飲めるのが何となく歩飲に適しているのかなと思います。
あとチバユウスケが「バドワイザーは缶の見た目がジュースみたいだからスタジオで飲んでも怒られないんじゃないか」という理由で近年はバドワイザーをよく飲んでいるらしく、半分ぐらいはその影響です。
歩飲中に飲んでるビールが温くなるのが早くなると、夏が来たんだな、と感じます。
本人広告枠
AKUTAGAWA FANCLUB / GATTACAというバンドをやっています、聴いたことがないのであればいっぺん聴いてください。